DonorsChoose.orgというサイトがあります。(ドナーズ チューズと読みます。)
公立学校で教えている先生であれば、「子供達とこんなレッスンをしたいので、これこれの教材が必要なのです。どうか、サポートお願いします」とリクエストできます(つまり、助成金というか補助金を)。そして寄贈者(ほとんど匿名)が「おぉ、これはいいな」とか「おぉ、これは面白そうだ」と思ったプロジェクトを選んでお金を寄贈するというサイトです。
私は、昨年の11月にあるプロジェクトのための助成金の申請を、友人のジェニファーさんの力を借りて出していました。ちなみに、このジェニファーさんは才能溢れたドレスデザイナー/メーカーであるだけでなく、地元マウイの地域に色々な形でとても貢献している方です。
残念なことに、私たちの申請したプロジェクトに関してはしばらくの間、何も音沙汰無しでした。
「まぁ、無理だったら仕方ないな」なんて思っていました。(いついつまでにリクエストした分の金額をもらわないといけないというルールがあるので、いつまでも載せておけるわけではない。)しかし、そんな中奇跡は起こりました!風邪をひいて、ベッドで洟を垂らし、咳こみ、微熱にやられていたときのことでした。一通のメールが届いたのです。
何と$50が寄贈されたとのこと。
その瞬間何かがぐわっとシフトしました。
私がリクエストした金額を満たすためには、あと$122必要でした。そこで、その旨をあるソーシャルメディアのサイトで告知したのです。もともと、こういったお金に関するお願いを友だちにするのが嫌でしていなかったのですね。でも、何か行動を起こさないと、この$50をくださった方のご好意が無駄になってしまうと思って。
そしたら告知した24時間以内に、残りの$122も完全に寄贈されていました。
私がリクエストしたものは、子供達に手話を教えるための教材です。
以下が私が申請したときに書いたものです。(文字数に限度があるので、割と短いですが。)
「マーク・トゥワインは言いました。『言葉は描かれた炎に過ぎない。姿勢(構え方)自体が炎なのだ。』もしそれが本当だとしたら、手話はその炎を伝えることが出来るでしょう。生徒たちと私は、手話を学ぶことに熱心です。私たちはコミュニケーションを取ることと、お話や、考え、気持ちを分かち合うことが大好きです。私たちはより上手に意志疎通を出来るようになりたいのです。
私のクラスには6歳から8歳の25人の子供達がいます。そのうちの5人は二カ国語を話します。英語の他にイタリア語、ポルトガル語、フランス語、スペイン語、そして日本語です。どうしてハイクにはこのような多国籍な子供達が多いかというと、理由の一つにハイクには世界でも有名なウインドサーフィンとサーフィンのメッカがあるということが挙げられます。彼らの両親たちそれを体験するためにやってきました。色々な言葉が存在することは彼らにとって、日常の景色の一部です。彼らはマウイで生まれましたが、彼らの両親は英語以外の言葉を話せます。
彼らは英語を母国語として流暢に話しますが、家では両親の母国語を話します。違う文化を背景に持っている彼らは私たちのクラスを豊かにしてくれます。私たちの学校はマウイの北側に位置する小さな学校です。全校生徒500人で、そのうちの60%の子供達が低所得世帯に属します。(こういう情報を書かないといけなかったので。)
生徒たちは、学校でも家でも英語以外の言葉に触れているので、彼らみんなが同様に知らなくて、みんなが容易に学べる言語を教えられたらいいなと思いました。そして思いついたのが手話でした。発音を気にせず、視覚で学べ、微細運動技能能力も鍛えられます(指を動かすことで)。今、彼らは100以上の手話を学びました。(今日このブログを書いている時点では200以上。)
私たちの目標は、文章を作れるようになることと、ちょっとした会話を出来るようになることです。子ども向けに作られたDVDはこの目標を達するために便利です。DVDに出ている先生たちはこういうときには、こういう眉の上げ方をするということまで教えてくれます。そして子供達は実際に手話が使われているところを観ることができます。私たちは既に教室で頻繁に手話を使っています。例えば、スペリングの練習で使ったり、子ども達がトイレに行きたいときは手話で伝えてもらい、私は手話で答えます。そうすると、何かをしている途中であったり、他の子どもと話しているときでも受け答えすることができます。遠足先や、避難訓練で校庭で並んでいるときなど、大きな声を出せない場でも伝えたいことを伝えられるので大変役に立ちます。
言語を学ぶことによって、視野が広がります。手話は様々な身体障害をもたれた方たちのことを学ぶ機会も与えてくれます。手話を使うとき、伝えたい思いや気持ちを動きに託すことで、口語以上のものを伝えることも可能になります。それは、子供達にとって身振り語(ボディーランゲージ)や、人々の表情から情報を読み取る練習にもなります。そして一番大切なことは、この世界に存在する色々な人とコミュニケーションを取る事によって、相違するものへの寛容力と思いやりが育まれることです。」
そして、こちらが全額寄贈されたときに、寄贈してくださった匿名の方たちへ向けて書いたお礼の言葉です。
「あなたの寛大な行動に感謝します。
私のリクエストしたプロジェクトは、全額寄贈されました。
寄贈された教材を使って、子供達ともっともっと手話の世界を深めていけるかと思うと、心からワクワクしています。そしてもっとお互いのことを分かり合って、この世の中に貢献していけたらと思っています。
子供達は将来、もし路上で耳の不自由な人と出会ったら、何かしらの形で手を差し伸べるだろうと思います。この世界には、手助けが様々な形で必要な方達いるということを分かってくれると思います。そしてあなたのお陰で得られた教材から学んだ知識と、彼らの創造力を使って、それらの必要性に応えていくと思います。
もしかしたら、将来手話を使って未来の伴侶にプロポーズする子もいるかもしれません。駅で反対側のプラットフォームに立っている友人と手話を使って意思疎通をするかもしれません。もしかしたら手話通訳士や手話を使って教える養護学校の先生になる子も出てくるかもしれません。
それらの可能性に充ちた種を、今彼らの中に植えてくれたのは、あなたです。
感謝をこめて。
教師:上岡」
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